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波乱に満ちた人生、辿り着いた先

千葉 貴一さん

波乱に満ちた人生、辿り着いた先

豊頃町統内(とうない)地区にある廃校を再生利用した「とかるね」は、ギャラリーやコンサートなどのイベントを行うアートスペースにカフェや雑貨店、アンティークショップが同居するちょっとおしゃれなスポットです。このとかるねの企画から運営事務、ホームページの管理などに携わっているのが千葉貴一さんと千栄美さんご夫婦。

(千栄美さんは雑貨店「雑貨Q」を担当)二人は2012年の春、小学生の娘さんを連れて豊頃町へ引っ越してきました。東京出身の貴一さんと新潟出身の千栄美さん。二人はイギリスで出会って結婚し、ロンドンで20年近く暮らしていました。貴一さんはインターネットのセキュリティー分野のスペシャリストとして活躍。国際的な金融機関のシステム開発、研究などに関わり、仲間と新会社を起業するなど精力的に活動していました。そして2008年、会社の日本支店立ち上げのため、東京に一時帰国して仕事をしていた時、脳梗塞で倒れてしまいます。「当時は会社から徒歩3分のマンションに住んでいるのに全然帰れない状態でしたね。ほとんど寝れていなかった」と貴一さん。

 

 一命は取り留めたものの、手術後も半身麻痺と記憶障害が残り、仕事への復帰は諦めざるをえない状況でした。「ゆっくりと暮らそうかな」と病院のベットの中で貴一さんが考えているとき、「ふと、父が生前に買った土地が北海道の十勝にあったことを思い出したんです。それで思いきって北海道に移住しようかと妻に聞いてみました」。意外にも千栄美さんの答えは、あっさりOK。

千栄美さんはその当時、東京で暮らしながら、子育ての真っ最中。「東京で生活をしていて、おかしいなと思うところがいろいろあって…。ここで娘を育てたくないなという思いがあったんです」。

そうした流れもあり退院後、家族3人で十勝を訪問することに。そこから話はトントン拍子に進み、ほどなく十勝、清水町へと移住します。「ステキな出会いがたくさんありました」と貴一さん。移住してから、それまで動かなかった身体がみるみるうちに動くようになっていったのです。「ご近所さんに仲良くしてもらったり、雄大な十勝の自然に助けられたんでしょうね」。

 

一方で貴一さんが倒れた後、生計を支えるべく立ち上がったのは千栄美さんでした。イギリスにいた時からインターネット上で小さな雑貨店を開いていたこともあり、移住後はそれを本格的な仕事として取り組むことに決めたのです。少しずつお店は拡大していき、取り扱う商品の量も次第に増していきました。ただし、家の中はどんどん在庫であふれていくことに。家を増築しようか悩んでいたときに相談したのが、当時千葉さん夫婦が住んでいた家を建てた方で、今のとかるねのオーナーだったのです。

 

ここでまた運命の出会いがあり、千栄美さんはとかるねに雑貨店を出店することになり、豊頃と千葉さん一家の縁は繋がったのでした。それから1年ほどは清水から車で通う日々が続き、冬道の運転で危険な目に会ったことも。そんなこともあって昨年の春、娘さんの小学校5年生の入学に合わせて豊頃に引っ越すことにしたのです。「周りにはやさしい人が多いですね。田舎のおじいちゃんやおばあちゃんは温かいし。子どもを育てるにはいい環境だと思います。それに野菜は全般的においしい。近所の農家さんからもらったジャガイモとカボチャはふかすだけで本当においしかった」。

今は周りの人とは違った視点で地域を見ることができることを活かし、どのように発信していこうかと考えている最中。「暮らしを楽しみながら、ここ(とかるね)をもっと楽しい場所にしていきたいですね。可能性がありすぎて、やりたいことが山のようにあるんです」

雑貨店経営 千葉貴一さん 千栄美さん夫婦

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