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豊頃町の漁業
豊頃町の漁業は大津地域を拠点として営まれています。
大津地域の漁業活動は、サケの人工ふ化放流事業の成果により、さけ定置網漁業の水揚量が約 92%、金額については約87%(平成17年『十勝の水産』より)を占めており、陸揚げされるサケの多くは釧路市の水産加工場に出荷されています。
一方、その他の漁業のウェイトが低く、サケの陸揚状況により、漁業経営が大きく影響を受けるのが特徴です。このため、漁業関係者はサケ偏重型漁業形態から脱皮を図るため、つくり育てる漁業に取り組んでおり、陸上施設でのクロソイ及びマツカワ等の中間育成・放流事業を実施するなど、漁業経営の安定化を図る取組みを進めています。
昭和60年 | 平成2年 | 平成7年 | 平成12年 | 平成17年 | |
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漁家人口 | 384人 | 335人 | 259人 | 215人 | 154人 |
漁家戸数 | 112戸 | 108戸 | 81戸 | 76戸 | 52戸 |
地区人口 | 670人 | 610人 | 483人 | 435人 | 377人 |
地区戸数 | 211戸 | 201戸 | 183戸 | 176戸 | 169戸 |
(『十勝の水産』より抜粋)
漁獲量・漁業生産額
大津漁港の漁獲量は、十勝沿岸4町(広尾町、大樹町、豊頃町、浦幌町)の約10%、漁業生産額については約18%(平成16年『十勝の水産』より)となっています。
また、漁獲量に占めるサケの割合が平年で8割以上と高い水準にあります。
昭和60年 | 平成2年 | 平成7年 | 平成12年 | 平成17年 | |
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漁獲量(t) | 5,407t | 2,866t | 2,860t | 1,790t | 3,706t |
生産額(百万円) | 2,866百万円 | 1,365百万円 | 933百万円 | 848百万円 | 999百万円 |
昭和60年 | 平成2年 | 平成7年 | 平成12年 | 平成17年 | |
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さけ | 4,664t | 2,015t | 2,606t | 1,497t | 3,416t |
ししゃも | 16t | 19t | 67t | 81t | 62t |
けがに | 15t | 24t | 91t | 38t | 11t |
ほっき貝 | 52t | 20t | 37t | 78t | 129t |
つぶ類 | 310t | 100t | 53t | 73t | 72t |
その他 | 350t | 688t | 6t | 23t | 16t |
(『十勝の水産』より抜粋)
大津漁港
大津の漁場は古くから開けていましたが、漁港がなかったため出漁が制約されていました。
漁港は、昭和27年11月第1種漁港に指定され、さらに、昭和44年には、十勝管内唯一の第4種漁港に指定変更されると、翌年から本格的な漁港建設が始まり、昭和54年に掘り込み式の漁港が完成しました。また、平成6年から第9次漁港整備として、北防波堤の整備が進められています。
現在、本漁港沖合は北海道東部沿岸域の主要漁場であり、十勝管内・釧路管内の漁船等の避難港として位置付けられているとともに、地元漁船や管内遊漁船の拠点基地港として利用されています。
結氷対策
長年、厳冬期になると発生する漁港内の結氷に悩まされてきました。
漁港内が結氷することにより、漁船が出航できないことや、出航するために氷を割る労力を費やさなければならない等、漁業生産に支障をきたしているため、平成18年度から複数年度に渡り、結氷対策として国の特定漁港漁場整備事業により、新たな船だまりが整備されています。
マリンビジョン
北海道開発局が、北海道の水産業・漁村の将来像を示した「北海道マリンビジョン21」を平成16年6月に策定しました。これに基づき、大津地域では平成18年3月に「大津地域マリンビジョン」を策定し、同年11月にモデル地域として指定を受けました。
「大津地域マリンビジョン」では、サケを始めとした地元特産品の価値を再認識し、地域全体で付加価値を高め、都市漁村交流を深めるための将来像を描いています。